講演会 易経 龍の話

講演ノート【龍の話】

☆乾為天=人生や会社・団体・プロジェクトなどの進展を推移を龍になぞらえて説いている。

☆潜龍=地に潜み隠れたる龍。志を抱き、実現のための力を蓄える段階。会社では社員。

☆見龍=人を見て学ぶ龍。師となる人物を見つけ、基本を修養する段階。会社では係長、課長。

☆終日乾乾す=意志をもって努力する龍。自分の頭で創意工夫し積極的に動くことにより、技を生み出す段階。しかし、省みることも大事。一日の終わりに反省することにより、兆のあらわれを知る力を得る。会社では部長。

☆躍龍=跳躍のタイミングを計る龍。兆を見極め、時を判断して行動するスタンスを身につける。時には飛び、時には潜む。会社では取締役。

☆飛龍=大空を飛翔する龍。志を達成し、興隆を極めた段階。洞察力を自在に使い、時と兆を察する力を発揮する。会社で社長。

☆亢龍=傲り高ぶりのため失速する時代。衰退していく段階。

★まとめ=龍は志を抱き、修行と苦労を重ね、天空に昇り、雲を呼ぶ、そして慈雨を降らせ、大地に恵をもたらす。龍はいずれも陰陽では陽の状態であるが、飛龍の時に最大の陽となる。陽が強すぎると、龍は雲よりも高く位置し、雲を呼べず、雨を降らせることができず。恵を与えることができない、故に早く失速する。それを防ぐためには、陰を用いる。飛龍の時こそ、人の話を聞き、書に学び、陰を作る。なれば飛龍はゆっくりと衰えていく。また陰=人材育成が可能となる。陽が強く急激な失速は人災である。

★後書=食品偽造、少し前のITバブルなどの会社崩壊、政治家や官僚、役人の汚職などの事例も多い昨今。人間の衰退から学ぶ事は多いです。真の龍(トップ)は志を抱き、雲を呼び、大地に恵をもたらす。大循環をもたらすべき立場。そして、それは時流に乗ることではなく、志を達成すること。それは規模の大小ではない。家庭、小さい会社、大きい会社、行政、人間の集まり、組織は、すべからく自然界の法則に則っている。