竜神さんものがたり

日御碕神社(竜神さん)のものがたりを書いて欲しいというリクエストがあり、まとめてみました。少し長文になりますが、よろしくお願いします。

島根県日本海側に突きでた半島があり、日御碕という場所がある。ここには古くから海流の関係か、海蛇が漂流したそうだ。江戸時代、めずらしい海蛇をミイラ化して、徳川将軍家に献上した。将軍家は功労のあった部下や藩主へ、褒美として、これを下された。江戸期後半の西尾藩主は松平家が代々務めた。松平は徳川の親戚筋にあたり、親藩のなかの親藩である。寛政年間老中であった松平乗完公は、将軍の信頼も厚く、幕府への貢献から、海蛇のミイラを頂戴し、以後、江戸藩邸にこれを祀ってきた。江戸が終わり、明治、大正、昭和と時は流れる。戦災を免れた江戸藩邸区画整理となり、海蛇をお祀りしていた社も取り壊されることになる。松平家のご意向を西尾藩とも縁の深かった鳥山家・八代当主幸一の宅地提供、地元民心からの賛同により、ご神体を西尾の地で譲り受けることとなる。そして、東京から西尾へご神体が運ばれることとなる。昭和○○年○月、松平公ご一行はご神体を東京から恭しく抱き西尾へ向かう、西尾からは鳥山幸一、千葉西尾町長がJR岡崎駅までお出迎えに参じた。一行は西尾に到着。社を建設する場所にて祈願を行い、記念撮影を終え、ご神体は、伊文神社にお預かりいただいた。鳥山幸一は地元の支援者と共に、社建設に奔走する。ついに昭和33年9月23日現在の地に日御碕神社(通称、竜神さん)が遷座の運びとなった。以来、近隣有志で構成された竜神通発展会を中心に、今でも毎月18日に祭礼を行い、歴史あるご神体を護り続けている。境内には楠の巨木が茂り、近くの住人や訪れる人々に安らぎをもたらしている。龍神はこれまで数々の災害にも不思議なしるしを現され、現在でも災難水難車難等もろもろの災難除厄、家内安全、商売繁盛、開運、結婚、進学等、所願成就に霊験あらたかなりとして、世人の尊敬を受け、熱心な信者や地元の信仰者の参拝が盛んである。賽銭箱となりにおかれている蛇の石像は、その時の体調や運勢により重さが変わると伝えられている。城下町西尾の物語は江戸から、現在まで連綿とこの地で受け継がれている。
文章 鳥山家九代目当主 鳥山欽示 注)○部分は現在調査中。


※写真は開催中のズームインスパーうまいもの博の様子です。