悲しみの最終章・男たちの挽歌

30代、40代の屈強な男たちの涙を見ることはあまりない。普段指揮官として、それぞれの会社でそれぞれの現場を取り仕切る男たちは別れの場に集い、悲しみにうちひしがれている。最後のお別れに棺に花をたむける時には、堪えようとしてもこらえられない涙が溢れる。押し殺した嗚咽が聞こえる。かつて同じ志で同じ時間、同じ汗、同じ苦、同じ笑を共にした仲間達。今は送る側となった悲しく辛い現実がそこにある。男たちは決して彼を忘れることはないだろう。男たちの胸の中に老いることを止めた笑顔の彼が生き続ける。男たちの胸の奥には、彼を偲ぶ挽歌が流れた。彼を乗せた車は斎場を後にした。彼は男たちを見護る天空の☆となった。合掌。